パッケージ販売からサブスクリプション型へ!アドビのCreative Cloudの行く末は?【デジ通】

パッケージ販売からサブスクリプション型へ!アドビのCreative Cloudの行く末は?【デジ通】

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パッケージ販売からサブスクリプション型へ!アドビのCreative Cloudの行く末は?【デジ通】

ITライフハック2013年05月09日13時00分

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ITライフハック

パッケージ販売からサブスクリプション型へ!アドビのCreative Cloudの行く末は?【デジ通】

アドビが2013年6月から発売する新しいクリエイティブシリーズは、従来のようなインストール用のROMなどが入っているパッケージ版形式では提供されなくなる。ユーザーが有償で登録するサブスクリプション型の「Creative Cloud」で最新のソフトウェア群が提供される。
従来はソフトを購入してインストールし、ユーザー登録をしてアクティベートすれば、そのまま使えていた。かなり古いバージョンのCSでも利用できたため、バージョンアップの時期がきても、そのまま使い続けるユーザーがいたりと、利用しているバージョンがバラバラになったりしていた。今度のサブスクリプション型では、利用し続けるためには、定期的に料金を支払う必要がある。
そして「Creative Cloud」を利用している限り、常に最新の機能を持つクリエイティブ製品群を利用できるようになる。一定額の金額を払い続けることで、数年に一度の新バージョンへの買い替えが必要なくなる。定期的に利用料を支払う必要はあるが、買い替え時のコストや常に最新版が利用できる点を考えるとサブスクリプション型でも、それほど大きなコスト増にはならないだろう。
アドビはこのサービスを「Creative Cloud」と呼んでいる。Cloud(クラウド)という言葉が使われているが、ソフト自体は手元のパソコンにダウンロードして、インストールし、ローカルのプログラムとして使用する。このCreative Cloudは2012年4月に始まった。それまではパッケージ版の販売も併行して行われたが、それがなくなると今後のユーザー数はどうなっていくのだろう。
■当初の目標ユーザー数には達しそうだが・・・
アドビが公開している決算資料によると、利用者は直近で1週間に1万人程度増えており、2013年5月現在で50万人を超える利用者がこのサービスを利用している。2013年度の目標は125万人だ。
アドビの2013年度は2013年11月末までなので、2012年以上のペースで増やさなければこの目標には達成しない。2012年のサービス開始当初は、パッケージ版とサブスクリプション版を選ぶ必要があり、自分の懐具合や用途などに応じてどちらかを選べた。
だが今後最新機能を利用するにはサブスクリプション版を選ぶしかなくなるため、登録者は2012年に比べると一気に増え、目標には達成しそうな気配ではある。しかし、アドビのプロフェッショナル向けソフトだけでなく、アップグレードに多額の費用がかかったり、操作を覚えるのにかなりの時間がかかるようなソフトでは、毎回アップグレードする人は、いままではそう多くなかった。
利用しているソフトをアップグレードをするきっかけは、ハードウェアの買い換え時やOSの刷新時などと決めている人もいるだろう。また、ハードやOS関係なしに利用するアプリは、あらかじめ決めた世代おき(例えば2世代おきなど)にアップグレードしているという人もいるだろう。ビジネス用途の場合、新機能の利便性や費用の問題より、過去の資産との互換性などの問題で、仕方なしに古いバージョンを使い続けているというケースもある。
今回のサブスクリプション型への移行は、要するにネット経由で課金することで、確実にお金を払ってもらうということにある。たとえばソフトの非正規利用などがサブスクリプション型ではなくなるわけで、ソフトウェアベンダーとしては、不正利用を排除できる点で大きなメリットがあると言える。特にアドビの場合、ソフトの価格が高価過ぎるため違法コピーが出回るなど、かなりの被害を受けた過去がある。こうした被害をなくすといった点でもサブスクリプション型は有効だ。
ただし、ユーザーにとって有効かどうかはまた別の話だ。いままでのパッケージ版で、業務的には十分に間に合っているなんてケースの場合、わざわざCreative Cloudを契約して最新版のソフトを使おうという考えは、あまり出てこないかもしれない。このため、パッケージ版の最終版で、当面サポートが続く2012年に登場したAdobe Criative Suite 6(CS6)を使い続けることで当面様子見しようという人も多いと思われる。

アドビのソフト群は、業界標準と言ってもいいくらい多方面で使われている。ただし最近では、無料や比較的低価格なソフトでも機能的には十分になりつつある。現在、Creative Cloudは、毎週のように何らかのソフトがアップデートされており、常に最新版が使えるというメリットが享受できている。
しかし、同様のペースで今後も時代に即した利便性の高い新機能を常に提供し続けないと、あっという間にユーザーが離れて行ってしまう可能性もある。今後、Creative Cloudが、どのように進化していくかにアドビの命運がかかっていると言っても過言ではないだろう。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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