【編集部的映画批評】神出鬼没の殺戮職人!その男の魅力からは誰も逃れられない 『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』

【編集部的映画批評】神出鬼没の殺戮職人!その男の魅力からは誰も逃れられない 『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』

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【編集部的映画批評】神出鬼没の殺戮職人!その男の魅力からは誰も逃れられない 『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』

MOVIE ENTER2013年04月26日12時00分

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【編集部的映画批評】神出鬼没の殺戮職人!その男の魅力からは誰も逃れられない 『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』

『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』 (C) Pathe Productions Limited and WWE Studios, Inc. All Rights Reserved. 写真一覧(4件)

いよいよ、話題作が目白多しのゴールデンウィークに突入。多くの公開作がひしめくこのタイミングに、カルト映画のフジモトが、久々にご紹介するのは『VERSUS -ヴァーサス-』で世界中の映画ファンを虜にし、ハリウッドへと渡った北村龍平監督が満を持して放つバイオレンス・アクション『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』。日本に凱旋してからの、初の劇場公開作となる本作は、かつての北村作品からどこまで進化したのか。

『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』

舞台はアメリカの小さな田舎町。そこには強盗や殺人を繰り返す、ギャング・グループが存在した。その日も彼らは、めぼしい豪邸に押し入り、住人を惨殺、地元のバーでうさを晴らしていた。そしてそこへ通りがかったある若いカップルは、運悪く集団の一人に目を付けられ、拉致監禁されてしまう。しかしギャングたちは知らなかった…カップルの片割れの男が、とてつもない狂気を秘めた殺戮者であることを。「狩る側」だったはずのギャングたちは、やがて自分たちが「狩られる側」になっていることに気づく。その男に狙われたものは、誰も生き残れない…。(作品情報へ)

アメリカで、より洗練された演出力。でもやることはやってるのでR-18指定

 北村龍平監督作品の魅力として、その異常にテンションの高いアクションと、『あずみ』で見せたようなスピード感のあるカメラワーク、そして残酷描写を挙げる方も多いだろう。ただ、本作の冒頭からの展開は、『悪魔のいけにえ』『テキサス・チェーンソー』のような、クラシックなホラー・スプラッター作品そのもの。実際、本作の撮影はこの2作品を担当したダニエル・C・パールなのである。ところが、「カップルが監禁から逃れる」という、ありがちな物語を描くのか…と思ったところで、展開は急速にスピードアップ、古典的な拷問ホラーから、バイオレンス・アクションに様変わりするのである。殺人鬼「ドライバー」が、ギャングたちを追い詰めて行くシーンでは、凝りに凝ったアイディアで、拷問、殺戮が行われていくので、息つく暇もなく緊張感が押し寄せ、途中「人間ミンチ」といったやりすぎ感のある残酷描写も登場。結果、「やることはやった」ため、日本公開ではR-18指定となっている。とは言え、過去の北村監督作品に比べると、洗練されたクラシック感は最後まで持続しており、不思議なテイストの作品に仕上がっている。

必見!アイデア溢れる、殺人鬼VSギャングの死闘

 本作では「殺人鬼とギャングの死闘」が怒涛の勢いで展開されるが、その中で描かれる一風変わった殺害方法や、拷問のバリエーションにも注目したい。ギャングたちには、それぞれの性格に合わせた死に様が用意されており、なおかつ意外なキャラクターが、意外な場面で「戦線離脱」していくので、ちょっとした驚きが連続する。また、「ドライバー」は様々な仕掛けでギャングたちを追い詰めていくので、『ソウ』のような、殺人ピタゴラスイッチ的な楽しみ方もあるのだ。アクションを得意とする、北村監督ならではの創意工夫あふれる演出と言えるだろう。
中でも殺人鬼「ドライバー」の出現シーンは必見だ。建物に立てこもるギャングたちに悟られないよう、ドライバーは他の映画ではあまり見られない場所から、神出鬼没に出現する。ある時は人が通れるかも怪しいほど小さな窓から、ある時は池の中から、そしてあるときは“とんでもないもの”の中からヌルっと登場する。

殺戮職人、ルーク・エヴァンスの魅力にノックアウト

 『アメリカン・サイコ』でクリスチャン・ベールが演じたエリート殺人鬼=パトリック・ベイトマン、『サイコ』のノーマン・ベイツ、「ジョジョの奇妙な冒険 第4部」の吉良吉影など、魅力的なホラーやサスペンスには、独自の美学を持つ殺人鬼がつきもの。本作に登場する「ドライバー」も殺人に関して異様なこだわりをもち、それが言い知れない色気となってスクリーンに現れている。大学に侵入し14人を殺害、自らを「1人づつ殺すようなセコイ連中とは違う」と言い放つエキセントリックな部分を見せたかと思いきや、殺しの方法は用意周到、あらゆる武器や追跡装置を携帯し、格闘術も身に付ける徹底ぶり。そして彼の正体を目撃したものを、必ず仕留める。鮮やかに人間を狩るその姿は、もはや「殺戮職人」と言っていいだろう。
殺戮に関する美学もさることながら、何よりもこの殺人鬼を魅力的に見せているのが、彼を演じたルーク・エヴァンスの魅力だ。『タイタンの戦い』シリーズでアポロンを、『インモータルズ -神々の戦い-』ではゼウスを演じるなど何かと“神様”っぽい、凛々しい男前キャラが彼の主な印象。そのままの雰囲気を残しつつも、容赦なく拷問や殺戮を行う姿には、戦慄を覚えつつも、見とれてしまうほどの色気を感じずにはいられない。彼のキャリアの中でも、かなり振り切った「狂演」に、ノックアウトされる方も多いはずだ。
そんな殺人鬼も、自らが「作品」と呼ぶ女性にだけは愛を注ぐ。彼の殺戮行為も、実は女性への愛のために行われるものなのだ。そして、愛された女性たちは、恐怖だけではなく、「魅力」に取り憑かれ、彼のそばを離れることができなくなる。何が一体彼女たちを惹きつけたのか。「そりゃ、エヴァンスほどイケメンなら好きになるよね」という単純な理由ではないので、是非スクリーンで確認して欲しい。
北村監督の前作『ミッドナイト・ミート・トレイン』には、ブラッドリー・クーパーが主演、新境地とも言える振り切った演技を見せている。その後、クーパーは大ブレイクを果たし、昨年はアカデミー賞主演男優賞にもノミネート。北村監督の作品出演後、大きな転機を迎える俳優が多いようだ。
本作主演のエヴァンスは、『ワイルド・スピード EURO MISSION』では悪役を演じ、『ドラキュラ(Dracula)』でも魔人ドラキュラを演じる予定。これらに本作での経験がどう活かされたのか、比べて確認してみるもの面白いだろう。
『NO ONE LIVES ノー・ワン・リヴズ』は4月27日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開
・『NO ONE LIVES ノー・ワン・リブズ』 – 公式サイト

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カルト映画のフジモトの所見評価

【スプラッター度】★★★

【殺戮職人度】★★★★★

【殺人鬼がイケメンすぎる度】★★★★★

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